誰だって連合対オーブの戦闘にジャスティスが介入して以降の2人の様子を目の当たりにして、今更アスランが敵になるとは思えなかった(ディアッカに至っては問題外だった)のだから、アークエンジェル及びクサナギのメンバーにしてみれば至極当然の行動だったのだが、こういう方面においては極々常識的な見解の持ち主であるアスランにとっては『それで良いのか元地球軍…(汗)』と思わずにはいられない現状でもある。
元々宿敵といっていい関係であったAAとクルーゼ隊。
幾度となく刃を交え、双方共に多くの犠牲を払った両者なのだから、志を同じくする同志となったとはいえ、蟠りの一つや二つはあって当然で…。
当然の様にAAでキラと共にいるアスランだったが、捕虜になって以降すっかり人が変わってしまったとしか思えないディアッカや、まるで以前からの戦友のように接してくるAAクルーに、対応しきれていなかったりするのだった。
一足先に機体整備を終えたアスランは、このところずっとフリーダムに付きっきりのキラに休憩を入れさせるべく、ジャスティスにロックをかけて、食堂に向かうことにした。
その際、マードックにディアッカへの言付けを頼まれたものの、まだAA内は格納庫と食堂、ブリッジにキラと共用の士官室、そしてキラに案内された展望室くらいしか分からないので、時間的に見て探し回るよりは食堂辺りで待っていればその内捕まるだろうと、アスランはまっすぐに食堂に向かった。
AAに移乗して以来、整備班同様に親しくなったのは、何を隠そう厨房係だったりするアスラン。
合流を果たし、宇宙に上がって一息吐いた頃、初めてキラと共に食事を摂った際に、キラが摂った食事のあまりの少量さを目の当たりにしたアスランが、すぐさま厨房係に掛け合ってその場でキラ専用メニューを作って以来、実はキラの食事は毎食アスランが作るようになっていたのだ。
その際アスランの作るメニューは、どれも通常軍艦で供される物とは懸け離れていて、色々と食事メニューに関する情報交換等をするうちに、気がつけばすっかり馴染んでいたりする。
そんな訳で今回もキラ用メニューを無重力状態の格納庫内でも摂りやすいようにパッキングして、クサナギから分けて貰ってきたココアを作りつつ『後5分でディアッカが来なければ艦内放送で呼び出してやろうか…』等と考えていると、食堂の入り口が開く音がした。
「「あ…」」
ディアッカかと思って振り返ったアスランと、食堂に入った途端アスランと目が合ってしまったミリアリアは、小さく気まず気な声を発し、お互いに固まってしまった。
《続く。》<え?!
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