新たな辞令を受け、今度はキラも伴ってアスランが再びミネルバに出向してきて間もないある日、唐突にキラが言った。
「勝負しようよ、アスラン」
戯れの様な口調を装いながら、キラの瞳に浮かぶ光は何時に無く思い詰めたものに見えて、アスランは眉間に訝しげな皺を刻む。
「勝負?」
「そう。僕が勝ったら、アスランは僕のモノってコトで♪」
あくまでも唐突に思いついた様な態度を装いながら、それでもキラらしからぬセリフを口にした事で、また何か余計なことを考えすぎているらしいと当たりを付けたアスランは、とりあえずキラの気がすむ様にと付き合うことにした。
どうせまたMSの整備を済ませた後はシミュレーターでの自主訓練でもしようかと考えていたのだから、久しぶりに対戦モードも悪くない。何せアスランの『本気』を引き出せる実力を持ち合わせているのは、幸か不幸かこのミネルバにあってはキラだけなのだから。
「分かった。それじゃ、整備が終わってからシミュレーターの対戦モードで良いか?」
射撃だと今までの成績を見てもキラの方が不利だし、かといってナイフ戦はお互いに集中しすぎて周囲に被害を及ぼしかねない。いや、それ以上になによりアスラン自身がキラに刃を向けたくない。他にも色々あるにはあるが、ミネルバ内部で出来る事なんて限られている。
とりあえず一番無難な提案をしてみれば、途端にキラは破顔して。
「もちろん!約束だからねっ!!」
アスランの頬に一つキスを落とすと、上機嫌で整備に戻っていった。
アンチカガリでオーブが悪役なネタのその後話なのです。
実はやたらと無駄にモテるアスランを独占していたいけど色々あって自分からは素直にそう言えない嫉妬キラさんなカンジで。
本編はカリダさんやラクス、オーブで暮らすAAクルー達の身の安全を盾にカガリの言いなりにならざるを得なかったキラさんと、そんなキラさんを守るために行動を共にするAAクルー達をオーブの魔の手から奪還するザラさん達な話なのですよ〜。…多分。
ちなみに女の子キラさんで、壊れかけ風味弱キラさんですから〜。<このSSSではそうは見えない気もするが。
2年前の戦争時に不可抗力とはいえ地球軍側についてザフトの方々と戦ってしまったことに罪悪感を抱いていて、また『最高のコーディネイター』と言われながら無力な自分に強いコンプレックスを感じている為、無意識のうちにキラ自身が幸せになることを放棄している節があったり。
ちなみにプラント最高評議会(とザフトの上層部をはじめ一部の方々の間)ではザラさんとキラさんが婚約者同士なのは公然の秘密(笑)
そして当然のようにギルギルやレイさんがザラさんやキラさんの味方なのです。
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