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日常雑記中心でたまに私用ネタメモとかSSSとか。
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 ザフトの追撃をかわし、無事マルキオ島のドックに入ったアークエンジェルに、ザフトから脱走してきたアスラン達を救出したキサカ一佐が合流を果たして数日過ぎたある日のこと。
 今日も今日とて重傷を負った(というか先日の一件の際、キラのせいで傷が開いてしまった)アスランの看病に精を出しているキラが、自分とアスランの分の食事を取りに食堂に出向いたところでアマギ一尉を始めとする、最近アークエンジェルに同乗してきたオーブ軍の方々に遭遇した。
 どうやら纏めて休憩時間に入ったらしい彼等は、アークエンジェルにやってきて以来、すっかり彼等の中ではカガリ様共々崇拝の対象に確定らしいキラに会えた事をコレ幸いと、色々と言葉を掛けてきて。

「何故キラ様の制服に付いている階級章は『三尉』なのですか?」

 どういう流れでだかは分からなかったが、気が付けばキラの服装に話が飛んでいた。

「え?何処かおかしいですか?」

 元より軍属になった覚えなどないキラにしてみれば、

「いえ、そういう訳では無く、ただ気になったものですから」
「以前、地球軍でストライクに乗ってた頃、MSパイロットは『少尉』待遇だったので、コレで良いかなって」
 ニッコリ笑顔なキラ。


「…と仰られたのですが、納得行きません!!」
 カガリに詰め寄るアマギ達オーブ軍人一同。
「なんなんだいきなり…本人が納得してるなら別に良いんじゃないか?今のアークエンジェルは正規のオーブ軍でも無いしな」
「ですがキラ様より私のほうが階級が上だなんて、恐れ多くて我々が落ち着かないのです!!」




書きかけ階級ネタその2。<その1はザラさんとキラさん編。
携帯の保存枠が足りなくなったので、こっちに上げてみる。

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 アスランの機転により謎の戦艦を退けたミネルバの中では、もう一つの修羅場を迎えようとしていた。
 あの状況で艦長であるタリアよりも素早く状況を判断し、的確な指示を与えた『アレックス』が、アスハ代表のただの護衛だと言われても今更このブリッジで信じる者はいない。だが、そうなると彼が何者かと思うのは至極当然だろう。
 そんな中、何やら訳知り顔をしていたデュランダル議長が、ブリッジクルーの疑問を代弁するかの様に口を開いた。
「アレックスくん、君の本当の立場と名前を聞かせて貰っても良いかね?先程の判断や指揮を見て、今更『ただの護衛』といっても誰も納得はすまい」
 何やら含みのある笑みで問い掛けてきたデュランダルに、あくまでも彼自身の口から事実を告げさせようとする意図を読み取ったアスランは、胸の内で深々と嘆息すると、何処か諦めを含んだ口調で答えた。
「…平和維持機関ミール機動特務隊所属、アスラン・ザラ。…先程は差し出がましい真似をしました」
 何処か投げ遣りにも聞こえる素っ気ない口調で身元を明かしたかと思うと、後半は艦長であるタリアに向けて深々と頭を下げた。
「ミールって…アスラン!?」
 初めて聞かされたそれに動揺したカガリはアスランに詰め寄ろうとしたが、思いがけず冷然とした視線をアスランから向けられ、それ以上言葉を重ねることは出来なかった。
「いえ、そのおかげで助かったのも事実ですから。…でも『ミール』なんて噂では聞いていたけれど、まさか実在していたなんてね」
 ミネルバの窮地を救った事を恩にきせるでもなく、部外者でありながら口出ししたことを詫びたアスランに、タリアはわずかにけんを帯びていた眼差しを緩めると、些か呆れを含んだ声音で答えた。
 緊迫した空気が薄れた事に幾分緊張を解いたのか、身元を証してからはすっかり開き直ったらしいアスランは、『アスラン・ザラ』の名にどよめくブリッジクルーから向けられる好奇と羨望の眼差しにも臆する事無く、デュランダル議長やグラディス艦長と向き合い、苦笑を零した。
「元より平時には表立って活動することない組織の特性上、大体的に告知していませんから。それに、ミールの理念は理想主義者の戯言と受け取られても仕方の無い部分もありますので」
 自分の属する組織に対し、ある意味酷評ともとれることを言ってのけたアスランは、軽く肩を竦めてみせて。
「まぁ、私自身もそれに賛同したからこそ、こうしているのですが」
 気負いも躊躇いも無くそう言い放った。

「一先ずあれらが完成するまで、この『セイバー』でミネルバに合流するといい。…オーブの姫がアレでは、『姫君達』もいずれ『大天使』と共に、舞台に立たざるをえないのだろう?」
 その為の大義名分の手配を頼まれたからね。そう訳知り顔で言った共犯者に苦笑で返事に代えた。

「…こんなもの寄越して、いったい何を期待しているんだろうね?『代表首長サマ』は」
「まぁ良いではありませんか。『オーブ』を動かす分には、それなりに使えますわよ?」
 あくまでも他力本願な内容の手紙は不快感しかもたらさない。だが、手駒としての有為性は、まだ…ある。

「でも、ソレを認めちゃったのはカガリでしょ」
 自身のいたらなさを棚上げして嘆く姿には、嫌悪しか湧いてこない。

「何考えてんだよ、アイツ!?訳わかんないっての!!」
 何も知らされていないが故に、憤りばかりがつのっていく。…本当は、憧れすら抱いているのに。

「良いのですか?あいつには何も教えないで」
「…アレに今教えたところで上手く立ち回れるとは思わないが。…時期が来れば、嫌でも理解するだろう」
 自分達がコーディネイターの中でも如何に特異な存在であるか、それは自分自身で認識しなければ、何の意味もなさないのだから。

「オーブ軍は今すぐ撤退しろ!!」
 既に戦端は開かれているにも関わらず、突如割り込んできた道化は無理難題を口にする。
「…キラ、何でアレを好きにさせている?」
『だってさ、鬱陶しいんだもん。ラクスが言うから一応助けてあげたけど、いい加減自分が役立たずだって認識してもらわないとね』
 そのセリフから、如何に愛しい半身が要らぬ我慢を強いられているかが窺い知れた。

「」

 秋も深い10月下旬。
 この日、幾多の苦難を乗り越えて、晴れて長年の想い人であるキラを生涯の伴侶として迎えることが出来たアスランは、幸せ絶頂だった。
 そんな彼の元に、父方の血縁である透明人間一族の長老会からある通達が届けられたのは、結婚式を直前に控えた頃合いだった。
『一族の問題児ディアッカ・エルスマン並びにその目付役2名の後見として、彼らの面倒をみよ』
 幾ら透明人間一族では、人間界で家庭を持った者が未成年者の後見として世話をすることがあるとはいえ、若年の…ましてこの日式を挙げたばかりのアスランにその役目が与えられたのは、どう良心的に考えようとしてもただの『厄介払い』以外のなにものでもなく、結果的にアスラン(とレノア)の怒りを買った長老会の面々(実父であるパトリックも含む)が色々と不幸に見舞われたのは、ある意味必然だったのだろう。
 それでも、押しつけられた厄介事が消える訳では無かったが…。

「やはり、私達が動かなくてはならないようですわね…」
 仮初めの平和の中、全てをその腕に抱き癒す母のような少女が告げる。
 少女と供にある最も近しい対の二人は、それと共に偽りの日々の終局を知った。

「どうか、気を付けて…。もしあの子達に会う機会があれば、『無茶はするな』って伝えて?」
 暁闇の中、空と同じ黎明の色を宿した瞳ははかなく揺れる。

「…あっ」
「どうした?ステラ」
「アスランがいるの…」
「えっマジ!?…ってなんだよ、『アレックス』じゃん。あれじゃ会いにいけないか…」
 遠目に行き過ぎる人影を慕わしげに見送りながら、子供達は戦場に向かう。

「だが大きすぎる力はまた争いを呼ぶ!何でこんなものが必要なんだ!!」
 自らが道化である事にも気付かない少女は、無為無策のまま感情に任せて叫ぶ。

「来いっ!」
「…え?」
「こんな処で君を死なせる訳に行くか!!」
 道化には道化の役割がまだあるのだから、それを果たしてもらわなくては困る。
 突然の状況の変化にただ嘆くばかりで、足手纏いでしか無いものに苛立ちながらも、自らの役割を果たすべく、彼の者はMSを駆った。

「御前達、時間が掛かりすぎているぞ。早く撤収しろ。…それから、『無茶はするな』とあいつから伝言だ」
 この場合枷でしか無いものが、負傷した際の衝撃で気を失ったのをこれ幸いと、対の少女からの伝言を伝えた先、弟妹達の素直な反応に笑みを誘われながら、『軍神』の名を与えられた艦に向かった。

「アスランッ!」
 突然のエマージェンシーにあえて驚いてみせれば、場を弁えずに名を呼んだ道化に呆れるしかない。

「君達は君達の願いを叶えるために。私は私の望みを叶えるために。そのためなら、『世界』を欺くことさえ厭わない。そうだろう?」
 彼らに近しい者を知る橙色の瞳の男は、不敵にそう言って笑った。

「何故分からん!パトリック・ザラの採った道こそ唯一正しい道であるとッ!!」
 亡霊に憑かれた男の叫びに、沈黙と斬撃をもって返礼に代えた。

「貴方みたいな人が、何でオーブなんかにいるんです?」
 知らぬが故に純粋な同胞の問いは、道化の前で答えられるものではなく。

「お帰りなさいませ、アスラン」
「…お疲れさま。大丈夫…な訳無いよね・・・。でも、君が無事でよかった…」
 心から労いを掛けてくれる2人の存在が、何よりも癒しを与えてくれた。

「オーブが地球軍に付いたら、僕達も動くよ。…また、しばらく逢えなくなっちゃうね」
 互いに熱を与えあった名残に微かな艶を残しながら、愛しい少女はしどけなくその身を委ねてくれる。

「それでは、私達も参りましょうか」
 そして、世界を巻き込んだ戯曲は幕を開けた     …。

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