「一先ずあれらが完成するまで、この『セイバー』でミネルバに合流するといい。…オーブの姫がアレでは、『姫君達』もいずれ『大天使』と共に、舞台に立たざるをえないのだろう?」
その為の大義名分の手配を頼まれたからね。そう訳知り顔で言った共犯者に苦笑で返事に代えた。
「…こんなもの寄越して、いったい何を期待しているんだろうね?『代表首長サマ』は」
「まぁ良いではありませんか。『オーブ』を動かす分には、それなりに使えますわよ?」
あくまでも他力本願な内容の手紙は不快感しかもたらさない。だが、手駒としての有為性は、まだ…ある。
「でも、ソレを認めちゃったのはカガリでしょ」
自身のいたらなさを棚上げして嘆く姿には、嫌悪しか湧いてこない。
「何考えてんだよ、アイツ!?訳わかんないっての!!」
何も知らされていないが故に、憤りばかりがつのっていく。…本当は、憧れすら抱いているのに。
「良いのですか?あいつには何も教えないで」
「…アレに今教えたところで上手く立ち回れるとは思わないが。…時期が来れば、嫌でも理解するだろう」
自分達がコーディネイターの中でも如何に特異な存在であるか、それは自分自身で認識しなければ、何の意味もなさないのだから。
「オーブ軍は今すぐ撤退しろ!!」
既に戦端は開かれているにも関わらず、突如割り込んできた道化は無理難題を口にする。
「…キラ、何でアレを好きにさせている?」
『だってさ、鬱陶しいんだもん。ラクスが言うから一応助けてあげたけど、いい加減自分が役立たずだって認識してもらわないとね』
そのセリフから、如何に愛しい半身が要らぬ我慢を強いられているかが窺い知れた。
「」
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